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「ピピピピッ、ピピピピッ…」

ベッドに横たわりながら
いつまで経っても聞き慣れない電子音を頭越しに静かに止める。
一回でいくか、スヌーズにするか、
時間の再設定をして再び眠りにつくかはその人そのとき次第。

ただ、一度起き上がってしまえば、
そこに意識があろうと無かろうと
もはやルーティン作業と化したように身体の状態をチェックしている。

結構筋肉痛きてるわ。
ちょっと嫌な張りがあるな…
あれ、なんか調子良いかも!?
うわ、今日カラダ重っ!
やっぱりまだまだ痛めた箇所が疼くな。。。

選手それぞれによって症状もまちまち。
けれど、100%バスケットボールを生業とするプロ選手の朝は大体そんなところ。

ちなみに35歳Bリーガーのぼくの朝は、
そこから何も考えずに熱いコーヒーを一杯。

あるときは寝巻きだったり
パンイチだったり
練習着だったり。

1日で唯一の”空白”とも言えるこの時間。
そこでは自分でもびっくりするほど何の思考もなされていない。
文字どおり頭の中は空っぽ真っ白である。

空白。
一見何の生産性もないように見えるこの時間。
しかし、そこには無限の可能性がある。

確実に言えることは、
空白の後の行動におけるスピードはかなり増してくるしノッてくる。

空白とスピード。
このふたつは今ぼくの中では共に大切なものとなりつつある。
このふたつをさらにうまくバランスさせることが出来れば何かが変わるかもしれない。

…なんだか脱線しそうなので話をプロバスケ選手の朝に戻す。

プロ選手の朝は、もちろん練習で始まる。
ちなみに今朝の東京Z戦士の起床はみんな6時である。
そして、その練習はいつだってもちろんVery Hard。

「練習はきつい…」

実はこの考えは9歳からバスケを始めて以来変わったことがない。
けれど、これまた9歳から1mmも変わったことがない

「でも上手くなったらもっと楽しい!」

という考えが100倍くらいのパワーで圧倒的に勝ってしまうため、
いくらでも頑張れてしまう。

何歳であろうと
プロの世界では向上心を失ってしまったらプレーなんて出来っこない。
ましてやこんなにきつい練習など。

大好きなバスケを
もっともっと上手くなりたい。
This is why I play.

苦しみがあるからこそ
その先に成功したときの達成感や充実感は格別になる。

アラームを無視して1日中家でひっくり返る選択をしてしまったら
もう二度と得ることが出来ないであろう感覚。
まだまだ失いたくない。

だからこそ。
明日も朝から全力で練習を頑張ります!