back in time

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今週末はアウェイで愛媛オレンジバイキングスと対戦だった。

開幕前の怪我で出遅れた自分にとっては

今シーズン初の遠征帯同となった今節。

 

接戦をなんとかものにした昨日。

今日は初の同カード連勝を目指し早めにコートインした前がかりな自分を

ゲーム前のある一事が一瞬にして20年前にタイムスリップさせてしまう。

 

ストレッチ中のぼくに歩み寄り、

声をかけてくれたのは昨日の試合からレフリーを務めていた方。

 

会話の第一声で放たれた言葉に

驚きを隠すことができなかった。

 

「ここはあの松山全中の決勝のコートやで…」

 

「え!!!本当すか!?」

 

そんなリアクションを返しながら

意識はすでにあのめちゃくちゃ暑かった15歳の夏まで遡り、

気がつけば全身に鳥肌が立ちまくっていた。

 

……地獄のように練習がしんどかった下関東部中時代。

 

「バスケ人生で一番練習がきつかったのはいつですか?」

 

色々な場面でこれまで何度もされてきた質問だけれど、

誰に聞かれても反射的に「中学時代!」と答えてしまうほど。

 

時代の流れもあるのであえて当時の詳しいエピソードは書かないけれど、

市でも勝ったり負けたりの田舎の中学生が先生の愛と情熱を受けながら

ただ先生を信じて必死に愚直に頑張り続けた3年間。

 

練習のし過ぎで本気で足がもげるんじゃないかと思った。

当時のぼくが大馬鹿野郎だったことを差し引いても、これは嘘じゃない。

 

そんなきつかった日々をなんとか仲間と耐え忍び、大きく成長を遂げ、

3年目の夏にようやくたどり着いた人生で初めての全国決勝の舞台。

 

そんな一生ものの思い出のコートにプロとなった自分が今立っていたのである。

言葉では形容しがたい種類の感動の波に全身を襲われていた。

 

あの夏の優勝は男女ともに愛知県勢。

男子決勝戦のラスト、同点を狙ったシュートを自分が2本連続で落として3点差で涙を飲んだ。

女子決勝でも同じく山形第一中の大エースがラストショットを落とし1点差で敗れた。

 

あの夏、この体育館でラストショットを放ったのはぼくと彼女だけ。
そして、そんな2人だけが未だにプロの現役でバスケットを続けている。

 

彼女の名前は、大神雄子。

 

もはや説明の必要もないのだけれど、

Wリーグトヨタ自動車アンテロープス所属で

日本女子バスケットボール界のレジェンドである。

 

なんだか久々に大神雄子に会いたくなったなあ(笑)

三菱時代にオールジャパンでばったり会ったときにハグをして以来、まともに会っていない。

 

彼女は今シーズン限りでの引退を表明しているので

現役中にどこかのタイミングでまた捕まえに行こうと思う。

 

さて、15歳の頃のぼくはいまの自分を見てなんて言うのだろうか?

大馬鹿野郎の敷布団の上に生意気の毛布をかけてくるんだような奴だったので

だいたいの当たりはついているのだけれど。

 

「おい、KAZ!まだまだやれっちゃ!!」

 

そんな言葉がこだましたような気がした今日の体育館。

まだまだやっちゃるぞ、ヤング和!!!