my studied life

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「おい君、なんだい今の命令口調は?一体俺がいくつに見えるんや?」

 

心の中ではほんのちょっとだけ毒づきながらも、別の意思も持ったおっさん。

黙って命令に従いペアストレッチを始めながら

「俺ってまだそんな歳に見えるんかな〜」と気持ち悪い笑みを浮かべたりしている。

 

32歳を目前に筑波大学体育専門学群科目等履修生という長い肩書きで学生の仲間入り。

一緒に講義や体育実技の授業を受けている学生たちは18、19歳とか。

そんな若者に「おい、一緒にストレッチやるぞ!」なんてタメ口で言われちゃったらね〜(笑)

 

プロになってからバスケ漬けの毎日。

勉強という勉強は正味10年していない。

専修大学経済学部で学士と中高の社会・地歴公民第一種教員免許を取得して以来。

 

動機は、ただ保健体育の一種教免が欲しい。家も近いし行ってみよう!

正直怒られるレベルの発想だった…

 

その後あれよあれよと事が順調に進み、目標だった保健体育の一種教免は無事に取得。

しかし、そこからまさかの展開に!

 

本当に自分から探し求めたわけでもないのだけれど、

ご縁、後押し、まわりの大賛成、言葉にもノせられ、

翌年に一般入試で筑波大学大学院へ進学することになる。

 

入学してすぐ痛感させられたことは「大学院は研究するところ」だということ。

 

指導教員は日本のコーチング界で厳しいことで有名な内山先生。

そんな尊敬する先生に耳がタコになるまで聞かされた言葉は、

「英文抄録も発表も論文執筆も全てバスケと同じ!トレーニングで力はつく!!」

だった。

 

修士1年目から英作文の塊である英語論文抄読して、

それらを拙いPC スキルを用いてExcel、PPT 等にまとめてド緊張しながらゼミで発表。

こんな作業を1年間、練習、講義、試合、レポート、テストをさばきながら繰り返し、

2年目は実験、研究をし、ラストの数ヶ月は地獄の修士論文執筆に追われ続けた…。

 

研究の面白さや難しさに触れながら身についたものは、

疑問を明確にし、明確にした疑問をどのように解決するかを考える力。

物事を論理的に考える力。

その出来上がった自分の考えを正しく伝える力。

 

そして、今日。

あらたに手にすることができた…

夢にまで見た中高の保健体育専修免許状と修士号学位記。

 

この瞬間を迎えるまでに痛感したことは、

学位を取るためには、個人の努力だけでは不可能だということ。

指導教員を始め、周囲の力が大きく必要。

また、たった一つの疑問を解決するためにも多くの方の協力が必要であり、

研究を遂行する責任は重大であるということ。

 

いかに自分の研究意義を周囲に理解してもらい、協力を得られるか。

この2年間で、周囲の”巻き込み方の重要性”を強く学んだ。

 

専門分野に深く精通した先生方や先輩、充実した設備が整った環境の中で、

身につけさせていただいた力とバスケットボールコーチング論を

将来必ず日本のバスケットボール界に還元していきたいと思います。

 

日本体育学会での口頭発表を経験したことで、

新たな知見も得ることができましたが、

なによりもそこで得た達成感と感動は一生忘れません。

 

……いかん。

ひとりひとりの顔を思い出すだけでウルッときてしまう。

 

この3年間、お世話になった全ての皆様、

言葉だけでは感謝の気持ちは到底表現しきれませんが、

本当にありがとうございました!!!